この記事を書いた人
心理カウンセラー・コンサルタント 安田 未稀
18年以上活動しています。お客さまが、本当の自分=本質、魂とつながり、自分の中にある答えを見つけて自然な行動に導く個人セッションが好評
「感情」に関する4つの法則をご紹介します。これを知っておくと、自分の感情の取り扱いがうまくなりますし、カウンセリング・個人セッションでやっていることがわかりやすくなります。
その前に、まずは「感情」「感覚」について考えてみましょう。
「感情」「感覚」とは?
改めて問いかけられると、感情ってどう説明していいのか?困ってしまいますよね。辞書を読んでも「気持ち」とか「気分」とか置き換えられたりしています。
感情には、喜び(うれしい!)楽しい、好き!などの感じると「気持ちがいい感情」と、不安(怖い)、怒り(ムカつく)、嫌い、寂しいなどの、「苦しい感情」があります。
感情は、脳が情報・刺激を受けて感じるものと言われていますが、実際には、ハートと呼ばれる胸付近で、ワクワクやキュン、と感じると思います。
また、日本語には「腹が立つ」「片腹痛い」「腹をかかえて笑う」のように「腹」を使った慣用句がたくさんありますが、これは、「腹」に感情がある、「腹」で感じるから、だそうです。 精神的なストレスで「お腹を下す」と言うのも、感情を表現しているのかもしれません。
「感情」と「感覚」の違いは?
これも、明確な切り分けは難しいとおもいます。
私は、感覚は「××な気がする」という言葉で表現できるもの、と捉えています。
例えば「悲しい」も、「悲しい」と自分がその渦中にいる感じで、胸のあたりでなんだかザワザワと感じるのが「感情」、渦中にいるのではなく、俯瞰したような少し距離があるのが「悲しいという感じ」で説明するものを「感覚」、と説明しています。
とはいえ、これって感情で感じているのかな?感覚で感じているのかな?と考えると、そこに思考が入ってしまうので、「感じている」を大切にしたほうがいいと思います。
うれしい(とどっかで感じたらなら)それでOK、と言うことです。
「感情がわからない」という場合
実は意外と多いです。特に男性で、理性的な方、論理的な方(なので、理系タイプの方)に多いです。かなり時代と共に変化してきましたが、「男の子は泣くんじゃない」と育てられてきたのが男性です。特に昭和の男たちと平成の前半ぐらいまででしょうか。
感じないように抑圧しているので、いざ感じようとしても、難しいのです。
職業的には、外科医の方にも多いと聞いたことがあります。感じていたら、人間の身体を切ることに耐えられないのかもしれませんね。
かといって全く感情を感じられないわけではなく、何か自分にとって感じやすい感情があるのであれば、それでOKです。あらゆる感情を感じるようにするのは結構時間がかかるので、「××な気がする」という感覚的なものだけでも、どんどん感じることをOKするだけでもいいと思います。
また、感じていても、前述のとおり、感情か、感覚かどちらで感じているのか?わからないこともあるので、そこで悩まない方がいいです。
「感情で感じよう、感じよう・・・」と念じていると、【「感情で感じよう」を感じている】と言うことになり、本当に感じたいもの・感じているものが遠い彼方に行っちゃいます。
まぁこういう時はほとんど「ほぼ思考優先状態」ですし。
例えるなら、セックスのときに、する気分じゃないのに、感じようとしても、ますます感じられなくなるみたいなものです。(つ、伝わるかな?!)
法則1:感情とウンコは出せば出すほどいい
これは、私が学んだカウンセリングスクールの社長の言葉です。社長はお下品さが魅力な人で、だからこそ記憶に残るお言葉も多いのですが、それがこれ。「感情とウンコは出せば出すほどいい」です。
確かに、便秘でウンコがたまっていると、くるしいですよね?(って便秘知らずの人はわかんないと思いますが、そういう方こそ1日でも出ないと嫌な気分、って言いますし)出さないと、健康・体調によろしくないわけです。
ネガティブな感情を感じてはいけない悪いものだ、感じると苦しいものだから、と抑圧してしまうと、便秘と一緒でもっともっと苦しくなるわけです。
あまりに抑圧=ふたをすると、感情も熟成され、発酵され・・・になるので、ますますフタを開けたいってことになっちゃいますしね。
なので、どんな感情であれ、抑圧しない・否定しない・はめっちゃ大事です。
ネガティブな感情を悪いものとして扱っていませんか?
そもそもなんですが、感情に、いい・悪いはないんですよね。でも、感じるといやーな気分になる感情ってありますよね。
それを一応、ネガティブな感情 と呼んでおきますが。
例えば
- 悲しい
- 苦しい
- つらい
- 痛い
- 切ない
- 怖い
などなどですよね。
最後の「怖れ」なんかは、動物として必要な感情だったりしますよね。「怖れ」を感じるから、回避することもできるし。「怖れ」がなければ、むちゃなことをしちゃいそうですよね。
ただ、あまりに強すぎると、しんどい感情です。なので、それを感じすぎない、感じたら弱めていく、と言うことは必要になります。(詳しくは今日は割愛)
法則2:本人が抑圧した感情は周りが感じる
本人が抑圧した感情はどこに行く?
感情を感じないように抑え込んでいることを「抑圧」と言います。これは、意図的に抑圧することもあるし、自動的に(無意識に)抑圧していることもあります。
この自分が抑圧した感情は周りが感じる、 という法則があるんです。
例えば、
全身、ケガで傷だらけでなのに その痛みを感じようとせず 「全然へっちゃらです!大丈夫です」 という人を見ているとどんな気分になりますか? 見ているほうが、いたた・・・ってなりますよね。
そんな感じです。
同様に、一人で仕事を抱え込んでハードワークしている人が、自分はへーきへっちゃら~でガンガンやってるんだけど、周りの人が「あれはやばい、大丈夫かな?」という時がありますよね。
大丈夫?と声をかけても、「大丈夫です!」と言うけど、そうは思えない。
実は、本人が「しんどい」を抑圧しているんですよね。
このように「周りがしんどい」を感じてしまいます。なので、周りを楽にさせたかったら、まず自分が楽になることが必要です。なので、カウンセリングの世界では、助けたかったら、先に自分を癒す、というリーダーシップをとろうね、とお伝えしています。
男女での違い
多くの場合、男性が感情を抑圧し、 女性が感情に敏感です。(もちろんこの逆もありますが、一般的な傾向として)
なので、女性側が苦しくなります。
女性側が男性の分まで引き受けているんですよね。
パートナーシップの問題に関しては、そもそも男性側が感情を 感じられるようになるといいんですが、ちょいと時間がかかります。
なので。女性が積極的に自分の感情をウォッチして 感じるものは感じ、 発散したほうが 結果的には、男性側も楽になります。
法則3:感情は一人で抱えるより、分かち合った方が楽になる
感情ってエネルギー
私たちって、つらい時って話を聞いてもらいたいな~って、思うことがありますよね。そして実際に人に話を聞いてもらうと、妙にスッキリ、ほっとしたりします。
これって、「話す」ことで「感情の分かち合い」をしているんですね。
「感情」ってエネルギーなんです。なので、このエネルギーをみんなでシェアします。
バームクーヘンみたいに、分かち合うことで、苦しい感情を分割して担当するから、自分1人で持っているよりラクになれます。
これがカウンセリングの基本です。なので、分かち合いを提供する場が、「カウンセリング」と言えます。
だから、1人で抱え込まない
私たちセラピストは、1人で抱え込まないで!とよく言うのはこの感情というエネルギーの分かち合いの効果を知っているから、なんですね。
エネルギーなので、分かち合うことで、新しい化学反応が起きるかもしれない。
つらいことも、乗り越える術が見つかったり。
特に、「自立」と呼ばれる何でも自分でやってしまうタイプの人は、人をあてにする、ということに遠慮があって苦手な方が多いので、なかなか人に話せないし、話しても「迷惑かけちゃったなー」と、罪悪感にハマる。そこでまたぐっと苦しい気持ちを抑える。
ところが、法則(2)で書いたように「抑圧した感情は周りの方が感じる」ので、あなたを観ていて、苦しくなる。
(なので、時には、遠ざかる人も出てきてしまいます。それを、「嫌われた」と誤解しちゃうんですが・・・)
だから、苦しい感情はウンコのようにガマンせず、抑え込まず→法則1&2
自分の中にあるものを外に出そうとすること。
誰かと分かち合うこと。→法則3
(周りやプロをあてにする)
がお勧めなのです。
法則4:感情は感じたら燃えてなくなる
感情はエネルギーだから燃える
最初、カウンセラーの養成スクールで説明を受けた時、この法則の意味がよくわかりませんでした。
でも確かに、辛いことがあったとき、泣いたらスッキリすることってありますよね?泣くことで燃やしているわけです。
それでもうおしまい、のこともありますし、あるいは同じ事柄でまたつらくなって泣くことはあると思いますが、それでもまた燃やしていくことができます。とても悲しいことがあった後に、泣いて泣いて泣き疲れて、空っぽになったときは、相当燃やした後、と言えます。
燃えて昇華
燃えたら、「昇華」というのが私にはぴったりくるイメージです。
でも、感じることが怖かったりするし、1人ではつらいから(一人で全部持つから)なので、法則3に従い、人とつながって(友達だったり、カウンセラーだったり)分かち合ったりすることでもっと楽に、昇華していけます。
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