この記事を書いた人
心理カウンセラー・コンサルタント 安田 未稀
18年以上活動しています。お客さまが、本当の自分=本質、魂とつながり、自分の中にある答えを見つけて自然な行動に導く個人セッションが好評
お客さまからのご相談
お客様からいただいたご相談内容をご紹介します。(ご本人からの掲載許可をいただき、個人が特定できないようにしています)
気が付けば、本来は他の人が担当している仕事まで、私がやっていることもあります。どこで働いても同じようなことが起きてしまいます。
なんだか、私ばっかり損をしていて、貧乏くじ引いた気分です。どうしたらこの状況を変えることができるでしょうか?
キーワードは「(心の)境界線」です。
他人の仕事まで抱えてしまう原因は、境界線が曖昧
心の境界線が曖昧だとこうなってしまう可能性があります。
境界線って土地だとわかりやすいですよね。
昔からある古い土地って、ご先祖様のお隣さん同士が超適当に決めてたりするので、いざちゃんと線引きしようとすると揉めるケースがあります。登記簿と現実のラインがちがう!とかも含め。
その他、形のある所有物もわかりやすいですよね。
名前を書いていればなおさら。
でも、心の境界線って、目に見えないだけに、知らず知らずのうちにあいまいだったり、自分が他者の領域を侵したり、その逆もやっていたりします。見えないだけにやっかいなんですよね~。
そして、
本来は、他者(例:職場の同僚、友達、親戚等)がやるべきことを、なぜか自分が主体的にやっている状態
になります。
それが楽しくて心からの喜びでやっているならいいのですが、多くの場合、
本当にやりたいかと言うと、そうでもなかったりするし、なぜかしんどくなっちゃうのです。
どこかで、本当は私のやることじゃない、ってわかっているから、不満が出てきちゃいます。
そうなんです。本当は、わかっているのです。
不本意なので
「なんか私っていいように使われている気がする」
「私ばっかり貧乏くじひいている」
「私だってやりたくないんだけどね」
という言葉が口をついて出てきちゃいます。
では、境界線が曖昧になってしまう原因とはなんでしょうか?
境界線があいまいになる原因
原因としてよくあるのは、
癒着に起因するもの
無価値感や罪悪感に起因するもの
です。では1つずつ説明してきますね。
「癒着」が原因
「癒着」とは、文字通り、くっついている状態。
例えば、父親や母親が厳しいとかその逆も含め、親の顔色・様子をうかがって生きてきていると、いつも自分のこと以上に親のことが気になります。そして親が価値基準になってしまい、親と癒着している状態になります。
このパターンを持っていると、親以外の一般的な人間関係でも、癒着、つまり、自分と他者との境界線があいまいになります。
癒着していることに無自覚なので、気がついたら当たり前のように誰かのため、に、自動的に身体が動いてしまっている、ことが多いです。
どうしたらいい?
自分の感情・役割・お仕事と、他者の感情・役割・お仕事を区別していくことに意識を向けるといいと思います。
癒着のパターンを持っている人は、優しくて与えたい愛情のある人が多いのですが、事を起こす前に、
- これ本当に私のやること?
- 相手の意向は?
- 相手の感情を想像して決めつけていないか?
を自問自答してみてください。
そして
- 私のものじゃなきゃ、背負わない。やらない勇気を持つ。
- 相手の意志確認をする
をやってみてください。
相手の意志確認というのは、
「これは私がやっていいのですか?」
「これはあなたのお仕事でいいんですよね?」
「あなたがするつもりなんですよね?」
など、です。コミュニケーションのひと手間をかけてみましょう。
無価値感・罪悪感が原因
自分には価値がない、自分が悪い、ダメな子だと思っているので、他人に尽くしてしまいます。
これを癒して行く必要があります。
どうしたらいい?
無価値感や罪悪感を癒して行くのはちょっと時間がかかることなので、その間、具体的な行動としてできることは、先に述べたことと同じです。
意識して、自問自答して、実際に選択をしていく、ということです。
ちょっと冷たい人間になった気がするかも
境界線を意識して、行動し始めると、
なんだか、自分のことが冷たい、打算的な人間になった気がするかもしれません。
今まで人のことまでやっていた心優しい人にとっては、そう思ってしまうのも無理はないと思います。
でも、
境界線を適切に引くこと
それを意識して行動を選択していくこと
と、
人に冷たく振る舞うこと
打算的に振る舞うこと
とは違います。
潜在意識レベルでも、これがくっついている可能性が大なので、これは違いを知る必要があります。(実際の個人セッションでは、この違いを潜在意識に教えていく=ダウンロードしていきます)
最初の頃はちょっとだけでも、他人のことをやらない、ってすごく勇気もいるし。慣れない感覚かもしれません。
でも、この「他者のものを取り込まない状態」の感覚を少しずつ、体験して慣れていくことがレッスンかなと思います。
そうすると、だんだん、深く考えたり悩まなくても、自然とできるようになってきます。
心という見えない境界線を適切に引いていくためには、今まで無自覚にやってきたことを意識化し、修正・矯正していく練習期間が必要なんですね。
実践してみた結果
ご相談くださった方はとってもやさしくておおらかで、よく気が付くし、仕事も一生懸命やってきました。
気が付くと、なぜか本来は他の人の仕事・・・・なのにその人の仕事までやっていて、いつも忙しくしていたのです。
実際に、境界線をひいて、
自分と仕事、他者の仕事を意識していただき、
他者の仕事をおのずとやることがないようにしていただきました。
今まで、自動的に、無意識にやってきたことなので、意識することがまずいちばん大切で、
意識することで、行動を変えていくのです。
やっていただいたところ・・・早速以下のような感想をお知らせいただきました。
うまくいったようですね!
(少し不安にもなりました)
でも、私が助けなくても、物事はうまく回っていました!
私が助けなくてもいいみたいです。
実践する上での留意点
空間(スペース)に慣れる
そうなんですよね。今まで、自分の心や身体のスペースに、「他者の仕事」というものまで入れていたのに、それがないから、
なんだかこの空白が手持ちぶたさでもあり、余裕にもなります。
で、それでいいのか不安にもなりますが・・・
慣れていませんからね、
でもそれでOKです。
その空白は自分にとって、他者との大切な空間(スペース)として感じてみてくださいね。
他者の力を尊重する
「自分の仕事と他者の仕事を意識し、他者の仕事を許可なくやらない」
ということと、
「自分の仕事だけをして、あとは知らん顔する、というような自分本位なやり方をする」
ということととは違います。
この両者を混同しているケースはとても多いです。
そうではなくて、自分の役割と、他者の役割をそれぞれ尊重する、というスタンスなんですよね。
他者の仕事を許可なくやるということは、一見、親切なようで気遣いあふれているようで、相手の力を信じていないということにもつながります。
こういうことってありませんか?
自分の中で、段取りつけて、後でやろうとしていた仕事を、誰かが先回りしてやってくれていた時、
うれしいと一瞬思うけど、
「後でやろうと思ってたのに」
「自分でやるつもりだったのに」
と。
うれしさよりもなんだかちょっと怒りとまではいかないけどなんだかちとイラっときたり、でも、人に親切にやってもらっておいて、怒りを感じるのも申し訳ないような罪悪感を感じてしまったりで、なんだかスッキリと喜べない気がしませんか?
やってもらった方も、やってもらった好意を100%受け入れられない何か、が残るのです。
なので、
最初はなんだか冷たい人間になったような気がしたり、
妙に手持ち無沙汰な気がしたり、
ヒマになったような気がしたり、
スカスカになったような気がしたり、
するかもしれませんが、相手のためにも境界線を意識すること、をやってみてくださいね。
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